NO.0511 季節のお手入れ―汗とその対策―

まだ6月だというのにすごい暑さです。しかも節電の関係でかなり冷房も
抑え気味で会社勤めの方も大変です。そこで今回のお手入れは、復習も兼ね、
汗とその対策を勉強しましょう。

汗には二つの種類があります。大汗腺と小汗腺という二つの汗腺から出る
汗で、異なった汗が発汗されます。夏の汗や運動の汗は小汗腺、エクリン腺
というところから発汗される汗で、よく汗っかきの人がいう“滝のような汗”
というダラダラ流れる汗もこのエクリン腺の汗です。そしてこの汗は体温調節
という夏場、特に大切な役割を果たしています。汗にはそのほかにも大切な
役割がありますが、体温調節は今年のように暑い夏にはとても重要な役割で、
体内温度を下げてくれるというありがたい効果になります。ちなみに私も
かなり汗を掻きます。特にむくみが出やすい水毒タイプではないので、発汗が
強く、夏にはとても強い体質を持っています。自分でいうのもなんですが、
蒸し暑いところへ行くと全身からジワーっと汗が出てきます。変な話ですが、
“汗腺良好”といつも感じています。実は汗腺というのは大人の場合大体同じ
くらいの数が全身に分布しているのですが、体質や育った環境によって発達
していない汗腺を持っている方が結構います。ですから汗を掻く人と掻けない
人がいるのです。ちなみにエクリン腺は200~300万個あるといわれてい
ます。当然東洋人でもタイやフィリピンのように、高温多湿地で生まれ育った
方は汗腺良好ですし、日本人のように冷房が浸透している国で生まれ育ち、
しかも東北や北海道など北の方は汗腺の働きも今ひとつになります。という
ことは、日本人は一年の中でほんの3ヶ月くらいの高温多湿時期がとても苦手
な方が多いということになります。ダラダラと流れる汗もイヤですが、涼しそ
うなのに体内はオーバーヒート状態では、かなり苦しいということが良く理解
できると思います。

そしてこのエクリン腺(小汗腺)の汗により皮膚表面のpHバランスが崩れ、
何らかの接触などによって、痒みのある接触性の皮膚炎やアセモが発生します。
今年は早くもかなりの方が発生しているようです。これは皮膚表面に汗が出ず、
内側で炎症になった状態ですので、あせって薬をつけたりしないでください。
上手にカブレを回復させる手入れをしてあげることをお勧めします。

ではお手入れ法を紹介しましょう。汗によるトラブルの手入れとして活躍する
のは、やはり天然オイルです。アルコールや防腐剤などが入っていないものを
クレンジングの前に顔全体に乗せ、こすらないようにクレンジングクリームを
延ばしてからすすぎます。次にやさしくソープをつけて洗います。このとき
シャワーは手で受け、トラブルの部分に直接シャワーを当てないようにしてく
ださい。そしてタオルで水気をしっかり拭き取り取ったらオイルを少し多めに
全体に延ばして入浴です。10~15分くらい放置し、蒸しタオルを作って
抑え拭きします。最後に冷水ですすいで終了。入浴後は化粧水などを使用した
ら必ず一度スッキリ乾燥させてからエッセンスやクリームを延ばしてください。
痒みのあるところは専用の薬でもかまいません。例えば乾燥させた後、ノンア
ルコールの化粧水で湿布してあげることもお肌にはとても良いことです。
ただし、痒み、赤味の状態で湿布はしないほうが良い場合もありますので注意
です。この湿布の後も一度乾かしてからエッセンスやクリームを使用してくだ
さい。湿布の時間は5分までがいいでしょう!

汗のトラブルは首にも発生しますし、内股や脇の下などにも発生します。
ピュアなオイルでのお手入れ法は同じで、先ずこすらないように延ばしてから
入浴、お風呂からあがって乾かしてから再度オイル。これは本当に効果的です
ので応用してください。

それと、エクリン腺ともうひとつの汗腺、大汗腺はアポクリン腺といい、
脇の下や外陰部などにあり、ここから発汗される汗は、人によってワキガなど
臭いの発生につながります。エクリン腺の汗腺に比べ10倍くらいの大きさの
アポクリン腺は日本人に比べ欧米人や黒人の方に多いといわれ、体臭との結び
つきが良くわかりますね。

汗には他にも色々な病気がありますが、先ずは一番身近なところを勉強して
みました。最後にダブル洗顔はとにかくこすらないように夏も毎日実行して
ください。基本を守っていると夏の汗にも対応できる肌になってきますよ!

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毎日のお手入れや、生活習慣の改善は大変なことですが、後天的な
トラブルは必ず改善しますので、いいリズムを習慣化するよう
がんばってください。
また、ご質問の際、肌の状況、生活、食習慣、年齢など詳しい情報を
いただければ、それだけ適切なアドバイスができるかと思います。

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