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NO.0546 季節のトラブル―シミと肝斑―

仙台に行ってきました。桜がそろそろ満開で、関東の桜と合わせ、二度のお花見気分を満喫させていただきました。
いつもながら石巻のお店の方々とまだまだ大変な状況の中におかれているお客様も、皆様前向きで、本当に私たちが元気づけられている感じです。
いつ何が起こるかわかりませんが、私たちも前向きに対応していきましょう。

さて今回、伺いました石巻のお客様の震災後の肝斑や日焼けによるシミがとても良くなられていたことと、紫外線量がピークになってきたこのシーズンでもありますので、シミと肝斑について勉強してみたいと思います。

肝斑というと近頃の定義は独立したトラブルの扱いになっています。
一昔前は肝斑=シミという考え方で、私が勉強したころは、外因性肝斑と内因性肝斑という分け方をしたものですが、近頃はレーザー治療や内服薬治療の関係で、シミの中の種類として肝斑を分けるようになりました。
日本大百科全書(小学館)によりますと、“シミ”とは肝斑の俗称とあります。
しかしながら、今日は現代風のとらえ方で勉強することにしましょう。

肝斑とは、ホホ骨から額、口の周りに左右対称に発生し、ある程度の形を形成している色素沈着です。形状としては地図状、茶色、気が付くまではくすみとか影のように見えます。肝斑は、紫外線の影響がなくても発生するというところが普通の色素沈着トラブルとの違いです。それではその原因が何なのか考えてみましょう。

肝斑の発生する年齢で最も多いのが女性の30~40代です。そしてその原因としては、女性ホルモンのバランスが大きな要因になります。
女性ホルモンへの影響としましては、妊娠、出産、流産、ピルの服用などが関係してきます。当然子宮や卵巣の機能低下やストレス、自律神経のバランスも原因として挙げられます。

ここで肝斑以外のその他のシミについても簡単に解説しておきましょう。
1)老人性色素斑(日光黒子):丸い形状の、顔面上場所を問わず発生するシミ。
2)ソバカス(雀卵斑):遺伝的要因のあるシミで、名前の通り小さな茶~黒の黒点が主に鼻を中心にホホに広がるシミ。
3)メラノサイトーシス(ADM):肝斑同様左右対称に発生しますが、メラニン色素が真皮に落ちていることで色素が濃く見えるシミで、別名を遅発性両側性太田母斑といわれる。
4)一般的色素沈着:紫外線の影響が大きな沈着で、日焼けやカブレ、ニキビ跡などが原因となるシミ。
大体この辺りが肝斑以外のシミとして分けられる主なもので、治療という観点から分けられたようです。

それでは、回復させる方法に入りましょう。現在シミの内服薬の代表的なものにトラネキサム酸という成分がありますが、これは元々抗炎症剤や止血剤として使用されていた薬剤でした。たまたまジンマシンの治療に処方された患者さんのシミが改善されたことから新たな効能が認められた話は有名です。トラネキサム酸は肝斑には効果がありますが、その他のシミにはあまり効果が期待できないようです。

逆にレーザー治療はその他のシミに効果が期待できても、肝斑を悪化させてしまうことがあります。このように現代におけるシミの考え方と治療法は、勉強すればするほど科学的な考え方のような気がします。例えばシミの治療法としては、ビタミンCやE等の内服剤、ハイドロキノン等の外用剤、光治療やケミカルピーリングなど種々様々です。

いかがでしたか?今回はシミと肝斑について勉強してみましたが、ご理解いただけましたか?でも肝斑とシミについてご理解いただいても自分のシミが何タイプなのかわからない方も多いと思います。今回の出張で石巻に伺い思ったのですが、昨年5月に伺ったとき、クスミやシミのトラブルがとても多く、その原因として過度なストレスによるものと約2か月間洗顔、手入れなどもまともにできる状態ではなかったこと!そして空気中浮遊物質の汚染によって沈着の悪化が起こったことがあげられると思います。約1年が経ち、お客様方のお肌は、昨年とは比べ物にならない美白の効果が出ていました。
特に肝斑治療剤や外用薬などを使用せず、正しいスキンケアを行うことができる生活に戻り、メイクができる状態になったからだと思います。
これはとても大切なことだと考えます。治療剤類には効果と副作用が必ずあります。この点も今回はチェックしていただきたいところです。

シミを早く回復させたいときに守っていただきたいのは、やはり
1)紫外線防止
2)代謝力アップ
3)正しいスキンケア
これが基本だと思います。自分の肌を知り、無理をしないことも肌管理には大切です。あせって色々する前に基本の見直しをしてみてはいかがでしょうか!

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毎日のお手入れや、生活習慣の改善は大変なことですが、後天的なトラブルは必ず改善しますので、いいリズムを習慣化するようがんばってください。
また、ご質問の際、肌の状況、生活、食習慣、年齢など詳しい情報をいただければ、それだけ適切なアドバイスができるかと思います。

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